白象雑記帳

【アスレチックス2000年シーズンれびゅ〜(00/11/01)】

さて、今シーズンも終了。我らがA'sはアメリカンリーグ西地区優勝という栄冠を獲得することができた。もちろんコレに満足してはいけないのだが、とにかくマリナーズとの激戦を制してヤンキースをあそこまで追い込んだことは勝算に値するのではないか。しかも今年の年俸総額って全30球団中25位はプレイオフ進出チームの中でもホワイトソックスに次いで安い(3197万ドル)。たとえ金をかけなくても強いチームは作れるというのを見せつけたというのにも価値がある優勝だった。

ここまでA'sが躍進したのは懸念だった投手陣が整備されたことが一番の理由。ハドソン、ヘレディア、エイピアーの勝ち星が計算できる3本柱を中心にマルダーとジトーというイキのいい新人が加わったことで先発陣が強化、中継ぎもタム、メシールを軸にしてベテランのジョーンズ、マグナンテなどが例年よりもしっかり抑えて、中盤から逆転を食らうというケースが減った。そして心配されたクローザーはイスリングハウゼンが前評判通りにシーズン終盤で息切れしながらも(笑)なんとか勤めきった。

打線はA'sの売りでもあり、なにも言うことはない。大活躍のジェイソン・ジアンビはいうに及ばず、急成長のテハーダ、着実な進歩を見せるチャベス、見事にセンターの定位置を奪ったロング、序盤は欠場したものの渋く光る活躍を見せたヴェラーディなど、数え上げれば枚挙のいとまがない。派手さでは99年のほうが上だが総合的には2000年シーズンの打線のほうが上だろう。

そしてもちろん、このチームを率いたアート・ハウ監督とチームを作り上げたビリー・ビーンGMの功績もたたえるべきだろう。若手を育て、大きくなくとも的確な補強を行うという姿勢を貫いた末に地区優勝の栄冠を手にしたというのは、現在の金銭で選手を集める風潮へのアンチテーゼでもあり、金のないチームでも優勝できるという可能性を示したといってもいい。ディビジョンシリーズでヤンキースと闘うことになったのは「ブルジョワジーvsプロレタリアート」の図式のようである。スゴイこじつけだけど(笑)。まぁともかくも賞賛に値するチームづくりの姿勢だろう。どっかのオーナーと監督に2人の爪の垢煎じて飲ませてェぜ(笑)。つーか読売。


さて今年活躍した選手を挙げていこうと思うが、やはり今年のA'sはチームリーダー、
我らがジェイソン・ジアンビ兄貴の活躍を差し置いては語れない。ホームランと打点は昨年を大きく上まわり、チャンスにも打ちまくった。フィールド上の活躍だけでなくチームの精神的な主柱として大きな存在感を示したジェイソン兄さんこそチームMVPにふさわしい。リーグMVPはデルガドかトーマスに持っていかれるかもしれないが(^^; リーグMVPにも匹敵する活躍を残したといって過言ではない。もはやA'sの主砲だけでなくア・リーグのスタープレイヤーの一人に数えられるべきだろう。いや数えろ(笑)。

打線のメインがジェイソン兄さんなら、投手陣のメインはもちろんティム・ハドソン。昨年彗星のごとく現れて11勝を上げ、期待された反面で2年目のジンクスも心配されたが、そんな心配も見事に払拭してブルージェイズのウェルズと並ぶ20勝(90年のデーブ・スチュアート以来)で最多勝のタイトルを獲得した。当頁やIt's Gone!のレビューなどではハドソンのことを「近未来エース」と呼んでいたが、防御率はともかくとして勝率・敗戦数の少なさを考えてもA'sのエースと呼んで問題ない。負けない、ということはエースを張る投手には重要だろう。

守備ではミゲル・テハーダ。今シーズンのテハーダといえば30本100打点をオーバーした打撃の向上が先に目につくだろうが、それよりもショートとして重要な守備が向上したことが何よりも大きい。もともと守備範囲が広く、肩とスローイングには光るものがあったのにキャッチング技術が粗かったために損をしている部分が多かった。しかし今シーズンは課題であったキャッチングが上達したために、守備範囲の広さとスローイングの良さがより引き出される結果となった。打撃の成長も含め、チームが彼と4年の契約延長を結んだのは非常に賢明である。

さて、他の選手に関していろいろ考えてみよう。

【Thumb UP! 〜がんばったひとたち〜】

●エリック・チャベス

昨年は新人王の期待もされていたが、故障やスランプもあり思うような活躍はできなかった。しかし今年はその期待が間違いではなかったことを示すようにめざましい活躍を見せた。あとは守備が問題。打撃は黙っていても伸びるハズ。あとそのメッシュはどうにかなりませんか(笑)?

●ジェフ・タム&ジム・メシール

不安定なA's中継ぎ陣が例年になく踏んばれた(笑)のはタムと途中加入のメシールの存在が大きい。T.J.マシューズ不調の穴を完全に埋めたタムと要所をしっかりとシメたメシールはシーズン後半から終盤にはとてつもなく頼もしく思えた。来年もどーかひとつ(小松政夫風)。

●ギル・ヘレディア

ハドソンの功績に隠れそうだが、なんといってもヘレディアの安定したピッチングは見逃すことができない。サスガだぜ、プロフェッサー・ギル(笑)。昨年13勝・今年15勝と立派にエース級の働きをしているだけに、ステアーズとの契約よりもヘレディアとの契約を優先したのは正しい選択だろう。

●テレンス・ロング

機動力はないが打力と守備力で熾烈な守備位置争いを勝ち取ったのは今年の成績からいけば当然すぎる結果だろう。佐々木さえいなければ新人王確定だったのに。顔は新人って感じじゃないけれど(笑)。

【Thumb DOWN... 〜んー、ちょっと。なひとたち〜】

●マット・ステアーズ

昨年の38本塁打・108打点に比べたら格段のダウン。スランプから立ち直ってからの働きはさすがという感じだが、それでも打率が2割2分台というのは低過ぎる。もう一回ダイエットに挑戦しますか?

●ベン・グリーブ

厳密に言うと現状維持といった成績ではあるが、ファンはそろそろ現状維持では納得できない。三振の多さとチャンス時のゲッツーには何度溜め息をつかされたことか。終盤の対マリナーズ4連戦で放った満塁弾にはシビレたけどねぇ。顔がイイ、目立ったところでしくじるが、そこそこ成績は残すって、あなた原辰徳ですか?

●オルメド・サインズ

アンタ、ケガ多すぎ。サインズの体調さえよければスタンレー獲得はなかったんじゃないでしょうか。それだけ右の大砲にかかる期待は大きいのにね。

【Middle Finger! 〜なんじゃワレぇ!〜】

●ジョン・ジャハ

実力があるにもかかわらず定着できないのは、ケガで不調とか欠場とかが多いからでしょうか。この人がカンペキだったらもっとスゴイ打線が組めたのは99年シーズンを思い出せば明らか。来年はパイアットも伸びてくることが予想されるだけに果たして来年は居場所があるのか? 正直いって、わからん。

●オマー・オリバレス

もしかして今シーズンは日本に来てBoomerの伊勢さんと入れ代わってましたか? 彼がいなかったのでマルダーとジトーにチャンスが行ったのですが、ホントにそれでイイのかったら良くはないよなぁ。

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