白象雑記帳

【A'sのオールタイムチームについて(00/06/07)】

発表されたオールタイムチームだが、オークランド時代に限らずフィラデルフィア時代やカンサスシティ時代に活躍した選手も選ばれているので「これって誰?」という所も多い。というわけで簡単ながら選出されたメンバーを簡単に振り返ってみよう。

●捕手:ミッキー・コクレーン(Mickey Cochrane)

A'sが1929〜31のワールドシリーズに3年連続で出場した当時の正捕手。1928年にはアメリカンリーグのMVPにも選ばれている。1947年に殿堂入り。

●一塁手:ジミー・フォックス(Jimmie Foxx)

ジミー・フォックス、マーク・マグワイアともにA'sどころかメジャー史上にその名を残す偉大なスラッガーだ。フォックスは1932、33年と連続してアメリカンリーグMVPに、そしてオールスターゲームには第1回から9年連続で出場し、1951年には殿堂入りを果たしている。A'sの選手としては1932年に58本塁打169打点と驚異的な数字(チーム記録)、通算でも302本塁打を放っている。

●一塁手:マーク・マグワイア(Mark McGwire)

一方、マグワイアは1987年に49本塁打というルーキーとしては驚異的な本塁打数で新人王獲得、'88〜'90の3年連続ワールドシリーズ出場したチームのクリンアップを勤めている。A'sで放った通算363本塁打はもちろんチーム記録。持病の腰痛に悩まされていなかったらこの数字よりももっと多くのホームランを放っただろう。'97年シーズン途中でカージナルスへ移籍。'98年にはシーズン70本塁打を放ってロジャー・マリスのシーズン記録を塗り替えたのはご承知のとおり。今なおホームランを放ち続け、殿堂入りも間違いない。

●二塁手:エディ・コリンズ(Eddie Collins)

1910〜14年にA'sがワールドシリーズ出場した当時の正二塁手。A's在籍通算打率.336はチーム第3位のハイアベレージ。1939年に殿堂入り。

●三塁手:カーニー・ランスフォード(Carney Lanceford)

1988〜90年の3年連続ワールドシリーズ出場当時のチームリーダーで、'89年にはオークランドに移ってからのチーム記録となるシーズン打率.336をマークしている。

●ショート:バート・キャンパネリース(Bert Campaneris)

ワールドチャンプに輝いた1972〜74年の正遊撃手でオールスター出場は5回。通算出場試合数1795、通算打席数7180、通算安打数1882はいずれもチーム記録である。

●外野手:リッキー・ヘンダーソン(Rickey Henderson)

言わずと知れた世界の盗塁王。A'sの今世紀最高の選手としても選ばれた彼は、1990年のアメリカンリーグMVP、シーズン盗塁記録130(1982年)、通算盗塁数などの記録を持っている。また盗塁だけでなく長打力や選球眼にも長けていることも選出の理由の一つだろう。ヤンキース、ブルージェイズ、エンジェルス、パドレス、メッツなどでもプレイし、現在はマリナーズに所属しているが、彼がもっとも活躍したのはやはりA's時代。オークランド・アスレチックスの歴史を語る上で彼の名を欠かすことはできないA'sの象徴である。もちろん殿堂入りは確実だ。

●外野手:レジー・ジャクソン(Reggie Jackson)

A'sが1972〜74年にワールドシリーズ3連覇を果たした時の主砲で'73年にはアメリカンリーグMVPを獲得している。勝負強いバッティング、特にワールドシリーズの時に格別の勝負強さを見せたことから「ミスター・オクトーバー」とも呼ばれている。1993年に殿堂入り。

●外野手:アル・シモンズ(Al Simmons)

1930年に打率.381、31年に.390と2年連続して首位打者を獲得した巧打者。チーム通算打率の.356はもちろんチーム記録だ。1953年に殿堂入り。

●先発投手:レフティ・グローブ(Lefty Grove)

1929〜32年まで4年連続で防御率タイトルを獲得、'31年にはチーム記録タイの31勝を挙げてリーグMVPに輝く。またデビューから7年連続でアメリカンリーグ奪三振王に輝き、20勝以上を挙げたシーズンは合計7回とまさに伝説の大投手。1947年に殿堂入り。

●先発投手:ジム・ハンター(Jim "Catfish" Hunter)

ジム・ハンターというよりキャットフィッシュ・ハンターと呼んだ方が名が通るかもしれない。そのあだ名の由来にもなったカイゼルひげが特徴的な彼は1968年にはA'sの選手としては唯一完全試合を達成、1974年には2.49で最優秀防御率とサイ・ヤング賞を獲得している。またカンサスシティ時代とオークランド時代に一回づつオールスターにも出場している。1987年に殿堂入り。

●先発投手:エディ・プランク(Eddie Plank)

フィラデルフィア時代の最初の5度のワールドシリーズメンバーであった彼は、20勝以上のシーズンが通算7回。通算284勝と奪三振1985個はチーム記録。1946年に殿堂入り。

●先発投手:デイヴ・スチュアート(Dave Stewart)

1987〜90年に4年連続20勝とA'sが3年連続ワールドシリーズ出場時の立役者。またサンフランシスコ・ジャイアンツと対戦したワールドシリーズ(通称・ベイブリッジシリーズ)ではシリーズMVPを獲得している。余談だが、4年連続20勝の少し前に読売ジャイアンツへの移籍がほぼ決定していたが、とあるトラブルで直前でポシャったということもあった。(^^;

●リリーフ:デニス・エカーズリー(Dennis Eckersley)

ヒゲとサイドスローが特徴的なオークランドの大魔神(笑)。A'sでの通算320セーブ、1992年の年間51セーブはもちろんチーム記録で、92年にはリーグMVPとサイ・ヤング賞を獲得している。88年からの3年連続ワールドシリーズ出場は彼なしでは考えられなかっただろう。4度のオールスター出場も果たし、彼もまた将来殿堂入りが有力な一人だ。

●監督:コニー・マック

闘将と呼ばれたトニー・ラルーサも捨てがたいが、A'sで監督といったらこの人しかいない。ぴしっと決めたスーツとストローハットがトレードマークのマックは、なんと1901〜50年までの50シーズンの指揮を勤めたのだ。3,627勝3,891敗と負けが込んではいるが、その間に9度のアメリカンリーグ制覇と5度のワールドシリーズ制覇を果たしている。1933年に行われた第1回オールスターゲームのアメリカンリーグチームの監督も勤めた、MLBのレジェンドの一人だ。1937年に殿堂入り。