【第7回・実現不可能な夢】

『プレートから30cmくらい少し離れて立って、ゆっくりと3塁方向を向いて打席に立つんだ。難しいことは考えない。そう、これでいいんだ、ってね。1球目はものすごいストレートが来るんだ。なかなかやるなって思ったね。それでボールの勢いに逆らわないように、ただ来た球を弾き返すようにってそれだけを考えたんだ。

そしてついに私が待っていたボールが来た。思いっきりひっぱたいたら弧を描いて飛んでいったよ。みんな『素晴らしいヒットだ』って称えてくれたよ。その日はそのヒットだけだったけどね。』

先日のオールスターの始球式を行った、最後の四割打者テッド・ウィリアムスは入院中にランディ・ジョンソンとの対決の夢を見たという。そのときの様子が上記のようなものだったとのこと。この話を聞いたジョンソンは「実に光栄なことだ。そんな事が実現したなら素晴らしいことだろうね。俺が投げて彼が打つなんて最高だよ」と感想を述べている。また現役の選手で彼に一番近いだろうと思うのはバグウェルとグウィンだという。そして一言「でもテッドでも俺の球はそうそう打てないよ」とのこと。

この夢についてウィリアムスは「これで私は前以上に自分を誇れるようなバッターになった。なにしろ35年ぶりにヒットを打ったんだからね」と夢の中での対戦に満足そう。当代No.1のジョンソンと、最高のバッターともいわれるウィリアムスの対決は実現不可能なまさに夢の対決。しかしこの対決は見てみたい!

 

【第8回・家族(を呼んだ)ゲーム】

えー、タイトルの方はあまりお気になさらず(笑)。先のオールスターゲームにブリュワーズから出場したジェロミー・バーニッツとデビッド・ニルソンはそれぞれ故郷からボストンへ家族や友人を招待したとのこと。特にニルソンはオーストラリアから弟の家族と両親の合計8人を招待してフェンウェイパークを案内したそうだ。一方のバーニッツの方は家族・友人あわせて10人を招待。

ちなみにバーニッツ、ホームラン競争の前にこんな事を言っていた。「勝てる自信はないがブザマな姿は見せたくねぇな。こいつはまさにビッグ・ショウだ。俺なんかはお呼びじゃないかもしれないが・・・ 楽しませてもらうぜ!」結果の方は決勝でグリフィーに敗れはしたが、家族を前にして彼としては充分に楽しめたのでは?

そしてもう一方、23日のロイヤルズvsアスレチックス戦に家族を呼んだのがジェイソン(Oak)とジェレミー(KC)のジアンビ兄弟。両親と妹を呼んだ試合で兄・ジェイソンは満塁HR、弟・ジェレミーはタイムリー2ベースを含む2安打と兄弟そろっての活躍ぶり。兄の満塁HRにジェレミーは「最初は『アニキやるじゃん』って思ったけど、よくよく考えたら『ちょっと待てよ』って感じだよね」と素直には喜んではいなかったが「今夜は家族そろってお祝いかな?」とまんざらでもない様子。

一方ジェイソンのほうは「試合になったら別の話だよ。アイツの打球が俺のところに来たら死んでも止めてやる」とすさまじいコメントを残している。しかし「血は水よりも濃いって言うけど、やっぱり弟の調子は気になるね」と兄貴らしいコメントも残している。けっこう兄弟仲は良いようですね。

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First Created 99/08/23
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