【第13回・ふたりのライアン

ボルティモア・オリオールズには2人のライアンがいる。身長203cmの三塁手、ライアン・マイナーと同じく203cmの投手、B.J.ライアンである。この2人、ときおりクラブハウスでバスケをやってたりするのだそうだが、実はマイナーの方はしばらく前までは野球ではなくバスケのほうが本職だったのだ。

実はマイナーはオクラホマ大時代にオールアメリカンチームのフォワードに選ばれるほどの実力を持ち、96年のNBAドラフトでフィラデルフィア・76ersから2巡目で指名されている。また退団後も一シーズンをCBAのチームでプレイしてから野球に本腰を入れはじめたという実に異色の選手。リプケン欠場中の3塁を守っていたが、9月1日になってなんと「本格的に野球に打ち込むのは今シーズンが初めてだ」と告白したのだ。

「ここ数年ずっとバスケをプレイすることばかり考えてたけど、野球やるにはなんの役にも立たないねぇ」と思わず当たり前じゃねぇかとツッコミを入れたくなるようなことを言っているマイナーだが、このオフはしっかりとウィンターリーグに参加するようだ。

さて一方B.J.ライアンの方は8月27日に昇格して特に目立った活躍をしているということもない。さすがに名前負けしているということもないんだろうが・・・ぜひともあのノーラン・ライアンとイメージがダブってしまうと言わせるぐらいの活躍をしてもらいたいものである。

【第14回・不惑で魅惑のスピードスター】

もうずいぶん前のことになるが日本で『不惑のホームラン王』門田博光選手(元南海ホークス)のことが話題となった。40歳を過ぎてなお一線で活躍する姿に賞賛が送られていたが、今のMLBにも一線で活躍を続ける『不惑の盗塁王』がいる。言わずと知れたメッツのリッキー・ヘンダーソンだ。実は今シーズン500打席に到達すれば来期に200万ドルで契約するという条項があったのだが、それには到達できそうにない。しかしフィリップスGMにとってはそんなことは関係ないようだ。

「(500打席に)到達しようとしまいと彼は200万ドルに値するよ。オプション契約のことも考えないとね」と既に来期の契約のことを考えている。それもそのはず、今年のリッキーは95年以来のシーズン打率3割も確実、またチームのリードオフマンとしてメッツの勝利に貢献している。そんな彼は去年と今年ではプレイスタイルを変えているという。昨年のアスレチックス在籍時には若いチームに勝利することを教える先輩として、そして今年は勝利を追い求めるチームの一員として、ということである。そしてリッキーはこう言
う。「引退なんて考えるだけでゾッとするぜ」彼が見ているのは引退後ではなく向かってくるボール、次の塁、そして目の前に迫ったポストシーズンだ。

バレンタイン監督は「たとえば美術館へ行くだろ。感動してその日は影響を受けてあとは忘れるけど、リッキーの場合は毎日毎日ジワジワと影響を受けていくのさ。彼がチームにいるってことは大きなことだな」とリッキーのチームへの影響力を語っている。おそらく来年日本で行われる開幕戦でも姿が見られると思うが、そのときはきっと我々ファンにも大きな影響を与えてくれるはずだ。

Back! or Go forward!


First Created 99/08/23
当家頁はともすけ(tomosuke@gem.bekkoame.ne.jp)によって作成されています。当ページに関するお問い合わせ・ご質問はメールもしくは掲示板にてお願いいたします。また掲載されている文章の無断転載・無断引用を禁止します。