【第31回・妙な光景/「スリル」の復活】

今回は2ネタほどお届けしましょう。ナショナルリーグと違い、アメリカンリーグではDH制が採用されているために投手が打席に入ることはほとんどない。しかしこの時期から投手がバッティング練習を行っているチームがある。

インディアンスのマニュエル監督はこのキャンプ中、投手陣に30〜40分程度のバッティング練習を課している。ハーグローブ前監督のときにはせいぜいインターリーグの直前に少しやるだけであったが、どうやらマニュエルはシーズンに入っても投手陣にバッティング練習を課すことになるようだ。「シーズンに突入しても週一回程度でこのバッティング練習をやらせるつもりだよ。インターリーグのときにもウチのピッチャーにはカッ飛ばして欲しいからね。」

肝心の選手はというと「大学4年以来だからバットの振り方を忘れちまったよ」とデーブ・バーバが言うように、何本かイイ打球が飛ぶものの今ひとつという状況のようだ。

一方このインディアンス投手陣とも対戦することになるオリオールズのウィル・クラークだが、昨シーズンのオフには心臓手術を行ったリサ夫人につきっきりだったために満足なトレーニングを行えなかったことに加えて、ヒジの負傷によってシーズンの半分以上を棒に振ってしまい不本意なシーズンとなってしまったが、今年はしっかりしたトレーニングを積んで体調は万全になっているようだ。

「妻の心配事がなくなって充分な練習ができた。今年は監督、オーナー、そしてボルティモアのファンの期待に応えてみせる」と語るクラークはすでに9kgの減量に成功。去年活躍できなかった分もそのニックネームの通り、「スリル」を与えてくれることだろう。

注)復活ネタ、多いっすね。(^^; またこのあたりから週刊メジャーリーグが前後編構成になることが多くなったので、意識的に文章量を多くし始めました。

【第32回・Best Friends】

「土曜日にヤツと話してさ。野球の話は全くしなくって、ほとんど家族の話と世間話ばっかりさ。」こんなことを言っているのはブルージェイズのカルロス・デルガド。そしてデルガドと話したというのはドジャースへトレードされたショーン・グリーンのこと。実は彼らは親友同志で公私ともに仲良くしていたようだ。

やはりデルガドとしては今回のトレードは個人的には厳しいものがあったようだが「俺たちは今このチームにいても、明日はどうなってるか分からない。たとえチームに満足していて、最高の時を過ごしていてもね。それがこの業界ってもんだ。今回のトレードは俺たちにとって寂しいことだし、ショーンにとっても寂しいことだと思う。ショーンもいないし、ヘントゲンもいない。それでも俺たちはやれることを力の限りやってくしかないんだよ。」と、今回のトレードを残念がりながらも冷静に捉えている。

ときどきバッティングやプレイについて話し合っていた2人だが、今年グリーンが活躍できるかを聞いたところ「そりゃもちろんイイ成績を残せるさ。ヤツの家からオレの家までそんなに離れてないけど、これからはあまり頻繁には会えないだろう。でもなにか困ったことがあったらまたウチに来るんじゃないかな。そしたら『あのピッチャーなら良いストレートを持ってるから、気持ち早めにバットを出したほうがいいんじゃないか?』とかアドバイスしてやるさ。」というように答えている。

「俺はもうグリーンに教えるべきことは全部教えてある。」とまるで師匠と弟子のような関係だったのを思わせるコメントだが、チームやリーグは違ってもデルガドとグリーンの関係はそれほど変わらず続いていくだろう。

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First Created 99/08/23
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