【第39回・103歳のガールフレンド】
ジャイアンツのバリー・ボンズには特別なガールフレンドがいる。名前はアンナ・ペインさん。今年で103歳のガールフレンドだ。
ボンズがアンナさんのことを知ったのは1月に新聞記事を読んだときのこと。彼女の人生最後の望みはボンズに会うことという内容を読んで、涙を流して喜んだ彼はさっそくアンナさんに会いに行き、今まで球場に足を運んだことがないという彼女を試合に招待する約束をしたそうだ。そして4月15日のゲームで約束は果たされた。
その日の試合前、ボンズはアンナさんの乗る車椅子をみずから押してクラブハウスへ案内した。選手たちの歓迎を受ける中、ダスティ・ベイカー監督に出会ったアンナさんは「あの爪楊枝をクルクル回すのはどうやってるのかしら? 実際に見せていただけません?」と尋ねたそうだ。するとベイカー監督は喜んで実演。オマケに爪楊枝1箱とサインボールをプレゼントしたそうだ。そしてボンズは「オレのオヤジとウィリーにも会っていってください」とボビー・ボンズとウィリー・メイズにも紹介したそうだ。
そしてメイズ氏の持っているボックス席で観戦することになったアンナさんはさっそくボンズの活躍を見ることになる。初回に打順が回ったボンズはダイヤモンドバックス先発のストットルマイヤーから見事なホームランを放ったのだ。ホームランを打つことをアンナさんに約束していたかどうかはわからないが、きっとボンズとしては狙っていたのではないだろうか。
そしてこのホームランはボンズにとって記念すべき通算450号。思わぬアクシデントで試合こそ負けてしまったが、ボンズにとって、そしてアンナさんにとって一生忘れられない日になったのは間違いないだろう。
【注】森本レオさんの口調を想像しながら読んでください(笑)。ちなみに「思わぬアクシデント」というのは外野席にいたファンがスタンドインギリギリのボールを取ってしまい、これが決勝点になってしまったというもの。しかもそのファンが着ていたのがボンズのユニフォームシャツ。変な偶然ですねぇ。
【第40回・3000本のその裏で】
今回はオリオールズのカル・リプケンが3000本安打を打ったときのハナシ。といってもすでに達成から2週間ほどたっているし、ただ単にこれの話を書いたところでとてもスキマネタとしては合わないので、ちょっと視点を変えて当日の試合相手だったツインズの側から書いてみましょう。
今回のおはなしの主人公はツインズ公式スコアラーのトム・ミーさん。もちろんこの試合もミーさんがスコアをつけていたんですが、実は彼はエディ・マレーとデーブ・ウィンフィールドが3000本安打を達成したときにもスコアラーとして試合を見ていたのです。つまりリプケンを含めて3人の達成の瞬間に立ち会っていることになります。ただし自チームのではなく他チームの選手だというのは非常に皮肉な話ですが。
「スコアをつけるのがちょっとツライんだよね。でもマレーとウィンフィールドも目の前でちゃんと打ってくれちゃってるから、きっとリプケンも打っちゃうんだろうなぁ・・・」とはミーさん。その予想はバッチリ当たって15日の試合の7回に3000本安打は達成され、メトロドームの観客からは盛大な拍手が送られました。
ノーヒッターの試合よりも、こういう記録のかかった試合の方が緊張するしシャクに障るというミーさん。リプケンは記録達成のコメントの中で「肩から重荷が取れたみたいだ」と言っていますが、その重荷はそのままミーさんの肩に乗っかってしまったんでしょうか(笑)? しかしこれほどイヤがるというのは前2回の達成に立ち会ったときによっぽどイヤなことでもあったんでしょうかねぇ。
【注】大沢悠里さんかエド山口さんの口調を思い出して読んで頂ければと(笑)。
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First Created 99/08/23
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