【第45回・インターリーグ、それぞれの思惑】

今週からスタートしたインターリーグを心待ちにしていたファンは多いかもしれない。しかし当事者としてはいろいろな考え方があるようだ。特にさまざまな反応を見せているのがオークランドで試合を行うアスレチックスとジャイアンツだ。この2チームの間で行われる試合は両チームの本拠地を隔てるベイブリッジの名を取ってベイブリッジシリーズと呼ばれており、89年のワールドシリーズもこの2チームで行われ、その時は4連勝でA'sが優勝している。

このインターリーグに一番入れ込んでいるのはどうやらA'sの広報のようだ。このシリーズに「ヤツらが球場を作ってる間に、オレ達はチームを作り上げた」という挑発的なキャッチフレーズを付けるほどだが、ジャイアンツ側は極めて冷静に「なんで彼らがエキサイトしてるか知らないけど、こっちは何とも思っちゃいないよ」と答えている。

もっと冷静、というか冷めきっているのが現場サイド。ジャイアンツのベイカー監督は「ファンは楽しんでるみたいだけど、ホントにこの対戦面白いかい? オレはそう思わないな。ヤンキースvsブレーブスじゃないんだからさぁ」、A'sのハウ監督は「お客さんは楽しいんだろうけどね。我々にとっては同リーグ相手の方がいいよ」、J.T.スノーは「A'sとやっても興奮しないよ。ドジャース相手のほうがぜんぜんいいね」と揃ってヤル気が薄め。

しかしそんな選手たちの思惑はよそにファンはこの試合を待ち望んでいたようで、入場者はThe Net(オークランド・コロシアム)ができて以来2位の51,678人という大入り状態(ちなみに1位は今年4月3日の野茂が開幕投手になったタイガース戦の53,948人)。結局、現場サイドがどう思っていてもベイブリッジシリーズはファンにとっては一大イベントなのだ。いろいろと思惑はあるだろうが、選手たちにはこの期待に応えるプレイをして欲しい。

【注】「ヤツらが球場・・・」というくだりが印刷されたチケットが映っている画像が、しばらくの間オークランドのオフィシャルページに壁紙用として掲載されていました。広報、気合い入りすぎ(笑)。

【第46回・マーク・グレース、かく語りき】

今回はソーサの移籍騒動で揺れるカブスのおはなし。現在カブスはヤンキースとレッドソックスとの間で移籍交渉を行うだろうということですが、ボストン・グローブ誌によるとレッドソックス側はソーサに見合うだけの大物選手を提示して交渉に臨みたいとのこと。また元カブス、現レッドソックスのマニー・アレキサンダーは『ソーサと近しい人』から「ソーサはニューヨークではなくてボストンに行くだろう。ニューヨークには行きたがっていないようだ」という話を聞いたそうです。とりあえずマユツバものとして考えたいところですが、レッドソックスが提示するであろう大物選手というのはヒジョーに気になるところですね。

ソーサ移籍となるとチームメイトたちに与える影響も多いでしょうが、カブスのもう一人のスーパースター、マーク・グレースはこのように語っています。「マイク・ピアザもマーク・マグワイアも、そしてベーブ・ルースだってトレードされたんだ。サミーだってその例外じゃない。彼はウチの看板だけど、彼だけじゃなくウチにはイイ選手がいっぱいいる。それに加えて優れた選手を獲れるならチームのためになるじゃないか。もちろん、誰が来るかにもよるけどね。」

クールに語っているグレースだが、本音はそうでもないようです。「正直言って、私だってサミーにはウチに残ってもらいたいよ。でも長年やってきて『トレードもゲームの一部』だって思うようになったんだ。」と心の底には割り切れない部分もあるのでしょう。いずれにせよトレードが避けられない状況なだけにどのチームへ行くのか、そして誰とのトレードになるのかが気になるところです。今世紀最後の大トレードになってしまうのでしょうか?

【注】なりませんでした(笑)@2000.08.01

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First Created 99/08/23
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